2015年3月2日

[札幌UX#001] SAPICAがサッとピッと通れない理由

前回、決意表明をしたので早速書きます。

なんか符号が欲しいなと思い、考えました。

今更「ユーザビリティ」とか「使いやすさ」だけでは片手落ちなので、やはり「User Experience」「ユーザーエクスペリエンス」が入ったものにします。

Sapporo User Experienceのイニシャルを取ろうかと思ったのですが、あまり良い意味にはならなそうなので却下。
User Experience Sapporoは「UX-Sapporo」と被るので、却下。

じゃあ「札幌 User Experience」で「札幌UX」にしようかと、だれも名乗ってなさそうですし。


さて、第1回目の対象は「SAPICA」です。

札幌市交通局(札幌市営地下鉄)で使えるICカード乗車券です。
私は地下鉄通勤なので毎日のように利用しています。

SAPICA『サッと取り出して、ピッと利用できるSapporo(さっぽろ)のICカード』から名付けれているのですが、なんだかスムーズじゃないなと感じることが多いです。特に混んでいる時に。

最初は札幌はJRのKitacaも導入が遅かったし、ICカードへの慣れの問題かなと思っていたのですが、どうやら違うとわかりました。

大きな理由は次の2つ。

1.対応改札機が揃っていない
2.タッチの仕方に問題がある

1は、一気に対応改札機を揃えられず、ICカード専用改札機があったり、磁気券共用改札機があったり、磁気券専用改札機が残っていたりと、改札直前になってSAPICAに対応していない改札に並んでたなんてことは今でもよくあります。
それにより、列の横入りが発生し、乱れるわけですよね。
この問題は、そのうち全改札機が対応するようになると思うので、時間が解決してくれそうです。

2は、タッチの仕方に問題があるなんて書くと、乗客に問題があるみたいですが、言わずもがな、そうさせているシステムが悪いのです。

そうさせている理由ですが、次のことが考えられます。

・フィードバックがない/遅い
・状態が見づらい


で、対話の原則に当てはめると、
「自己記述性」「学習への適合性」に問題があることがわかります。

そのために、どうなるかというと、
音またはディスプレイ表示のフィードバックがなかったり、遅いことで、ユーザーは『あれ?うまくタッチできたかな?』と思い、必要以上に長くタッチするようになってしまいます。

その結果、改札を通るのが遅れ、次に並んでいる人がタッチするタイミングが狂ってきます。
おそらく、次の人はやや身体が先に改札に入り、遅れてカードをタッチすることになり、改札機に弾かれる可能性が出てきます。

さらに、改札を通るのを遅くしているのが、ディスプレイが見づらいことです。これは共用改札機で見られるものです。
ディスプレイが見やすい角度で設置されていないことと、解像度が低いこと、字が小さいことなどが挙げられます。
その情報をよく確認しようとして、改札内に少しでも長く留まろうとしてしまいます。



これが混雑していない時であればそれほど問題はないのですが、次々に乗客が並んでいる時は問題になります。
ひとりが遅れると、次の人への影響が出て、その人の遅れがまた次の人に影響を与えるというように、負の連鎖が起きます。

これが、SAPICAがサッとピッと通れない理由です。

で、どうしたら良いか。

まずは、正しくタッチできていることをユーザーに早く伝えてあげることです。

伝える方法は音でもディスプレイでも良いと思います。

この方法であれば、ソフトウェアで対応できるのではないかと思います。
ディスプレイ角度といったハードウェアよりは対応しやすいのではと。
もちろん簡単ではないでしょう。



ただし、コンセプトの『サッと取り出して、ピッと利用できるSapporo(さっぽろ)のICカード』を
心地よく体験してもらいたいのであれば、改良すべきことです。

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