この本は、アップルとネクストの広告代理店のクリエイティブ・ディレクターが
スティーブ・ジョブズとジョブズがつくったアップルについてまとめたものです。
内容は、とにかく「シンプル」に徹底しているということ。
それはアップルの広告、iPhone、MacBookなどのアップル製品からも感じ取れること。
だからこそ、多くの人を魅了している。うん、ただ使ってるだけじゃないんですよね。
魅了されて選んで使ってる、愛用しているんだと思います。
その「シンプル」をジョブズはどう考えていて、どう具現化しているのかということが、広告代理店の視点で描かれています。
著者のケン・シーガルは本当にジョブズに信頼されていて、広告はもちろんそれ以外のことについても相談をされていたという関係性が生まれています。
「広告代理店」てなんなんだろうとも考えさせられる本です。
アメリカと日本、東京と札幌とでもその役割というのは違うんだろうとは思いますが。
で、この本の主旨が「広告」かというとそうではなく、
経営ビジョンだったり、デザイン哲学だったりします。
経営ビジョンだったり、デザイン哲学だったりします。
書中にも、マーケティングの本でもあり、アイデアとプロセスについて書いているとあります。
そう、ひとつの考え方、「Think Simple」という思想についての本なんだと思います。
その思想をとっているのが、世界一のブランド力をもつアップルだということです。
そんなブランド力をもった企業の思想をなぜ取り入れないんだろう。
どうしたら自分の身に出来るんだろうと。
ジョブズは、企業ブランドを銀行の預金口座に例えていたそうです。
ヒット商品が出たり、キャンペーンが成功すれば預金が増える。
逆に使いにくい商品を出してしまえば預金が引き出される。
そして、預金が多ければ顧客は信頼してついてきてくれるが、残高が減ってくると見捨ててしまうと。
すごく納得です。
先日、報道されていたブランド・ファイナンス「世界最強ブランド」ランキングでは、レゴが首位に立ったというニュースもありましたが。レゴの思想も勉強したい。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/03/post-3573.php
本の中身は、全く難しくなく(クリエイティブディレクターだけに読みやすい、面白い文章構成になっているのかな?)、横に彼とジョブズがいるかのように読み進められます。
個人的には、「スティーブジョブズ」の公式伝記よりも読みやすく面白いんじゃないかと思います。伝記は立ち読みレベルでどうしても購入にいたらない、未だに。
で、いかに「Think Simple」をつくるかということで10の要素にまとめられてます。
このまま章立てにもなっています。
1.容赦なく伝える Think Brutal
2.少人数で取り組む Think Small
3.ミニマルに徹する Think Minimal
4.動かしつづける Think Motion
5.イメージを利用する Think Iconic
6.フレーズを決める Think Phrasal
7.カジュアルに話し合う Think Casual
8.人間を中心にする Think Human
9.不可能を疑う Think Skeptic
10.戦いを挑む Think War
ジョブズはよく無慈悲なまでに厳しいという話を聞きますが、この本を読んでみて感じるのはただ徹して厳しいのではなく、思想から外れたことに対して無慈悲だということ。
そして、自分をよく理解し、協力を求め、チームに感謝しながら仕事をしているということです。
身の回りにも、厳しい人というのはよくいますが、思想というよりも自分の思った通りに動いてくれずに感情的になる人が多いなぁと思います。
そんな人達ももうちょっとでジョブズになれるのかも。
ということで、この本を読んで、アップルのこと、ジョブズのことを勉強しようと思っていたのですが、どちらかというと考え方や働き方を勉強できたと感じます。
週明け、本貸してね。
返信削除初コメントですね(笑) 持ってきます!
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