今年のテーマのひとつとして購入。
そしてこのブログのタイトルにもある「デザイン」。
もちろん「ロジカル・シンキング」も大事だけど、
「デザイン・シンキング」できないとイノベーティブな案は出ないと思う。
「デザイン」とはなにかということが分からないとダメだが、これは私も正直分からない。
美大とか芸大ではやってるんでしょ?多分。
デザインってこうやるんだよってのを、きっと。
で、前職でも見たり実践して、解釈してるのは
1.まず対象(生活者)の「観察」と「理解」
2.そのためにフィールドワークやインタビュー
3.事実を元に議論の発散
4.議論の収束を繰り返す
5.課題を明確にする
6.課題解決のためのアイデアを考えて
7.解決策を出して
8.試作品を作って
9.検証して
10.完成に近づけていく
ということ。
つまり、やっぱり体系的には「人間中心設計」。
Human Centered Designですね。私も人間中心設計専門家ですけど。
この本の中にも何度か出てきます。
本の中身としては、「日経デザイン」の特集をまとめたものということですが、
事例集として大変勉強になりました。
第1章 デザイン・シンキングとは何か
第2章~第5章 事例
第2章 発想を育てる
第3章 顧客視点を徹底
第4章 現場主義を貫く
第5章 新たな社会基盤へ
第6章 成功のカギは全社一丸の推進体制
第7章 クリエイターがビジネスを主導
第8章 デザイナーの役割が変わる
それぞれで気になるポイントは次の通り。
第1章 デザイン・シンキングとは何か
・マーケットベースでのロジカルシンキングでは発想に限界がある・「デザインシンキング」というとわかりづらいが、要は「人間を中心に発想すること」
(それもわかりづらいけどね)
・簡単にいえば観察して、課題を見つけて、解決策を出して、試して、完成させていこうということ。
第2章 発想を育てる
<ヤマハ/Start-up Sketching>・「企画担当者の意図を正確に伝えるには仕様書だけでは不十分で、製品の”イメージ”を共有することが欠かせない」
・テーマ設定→ペルソナ設定→課題の定義→スケッチング→プロトタイピング→商品企画案
<ソニー/Life Space UX>
・開発者全員が「ユーザーに何を体験してもらいたいか」だけを考えたモノづくり。
<リコー/THETA、MultiLink-Panel>
・「デザインディレクター」という役割を設置。
・スマホなど複合機以外のタッチパネルも調査。その結果、約60%の余白率がシンプルでわかりやすく感じると分かった。
<ブリジストン/ゼロ・スパイクバイター>
・米国流のデザイン・シンキングをブリジストン流のロジカルな開発手法と融合して展開している。
<三菱重工グループ/新しい水処理システムなどの創造>
・プロジェクトを立ち上げる前に、国内の大手コンサルタント会社の支援を受けたが、従来の延長線上の発想しか出てこなかった。
第3章 顧客視点を徹底
<ヤフー/デザイン・シンキングの「社内伝道師」育成>・「何か不便なことはありますか、などとユーザーに聞いても本音は出てこない。むしろユーザーの行動や操作しているときの気持ちについて質問した。
どんな画面を見ているのか、使用時間はどれくらいか、など具体的に掘り下げて聞く」
・顧客はなぜカードを使わないのか>「意見をまとめるためにも、プロトタイプ端末を加盟店に持ち込んで使ってもらう、フィールドテストを実施すべき」
<富士ゼロックス/DocuWorks ドキュメントトレイオプション>
・「お客様共創ラボラトリー」という施設を新設。
顧客と議論しながら、潜在するニーズや気付きを明らかにしていく。
<柿本美容室×ワールドなどアパレル各社×東芝グループ/仮想試着システム>
・美容サロンからアパレル店舗にどうやって顧客を誘導すべきか、シナリオを作成してコンセプトを具現化。
<富士里和製紙×プラグ/トイレットペーパーのパッケージ開発>
・小売店の前で観察やインタビューを行い、見えてきた課題がある。
第4章 現場主義を貫く
<オイシックス×シーアイエー/Oisix CRASY for VEGGY アトレ吉祥寺店>・「イノベーション・プロトタイピング」と呼ぶプロセス。徹底したプロトタイピングを通じた現場主義、体験主義を貫く。
<コクヨファニチャー/マドレ>
・ユーザーに使い勝手や不便な点を直接尋ねてわかることもたくさんある。一方で、ユーザー自身さえ気づいていない問題点は単なるヒアリングでは出てこない。
<メタウォーター×富士通グループ/AR技術を活用したデータ可視化>
<ゼブン銀行×NEC/人に優しいコンビニATM>
・人間中心設計の好例。
・「アニメーションと効果音による操作性の向上」「2台のスピーカーでカードや現金などの取り忘れを防止」「取引画面の他言語化を促進」などさまざまな工夫がユーザーインターフェースに詰まっている。
第5章 新たな社会基盤へ
<日立製作所/将来の潮流を把握する「ビジョンデザイン」>・将来の生活者の姿を捉えて社会の課題を解決へ
<NPO法人グリーンバレー/徳島県神山町の活性化>
・アイデアではなくアイデアを出す人を循環させる。
<在英日本大使館/「Found in Translation」>
・展示の中に肯定的な要素と否定的な要素を両方織り込む。
<海外事例 IDEO>
第6章 成功のカギは全社一丸の推進体制
<アキレス/瞬足>
・文化を作り、「SOKUIKU(足育)」を開発。
<ハマノパッケージ>
・取引先ではなく最終的なユーザーである一般の消費者目線で開発。
<SCSK>
・「イノワングランプリ」という社内新規事業提案コンテストにてデザインシンキングを導入。
<ベネッセ>
・「デザインシンキング」を一過性にせず定着させるために推進。
<IDEOのトム・ケリー氏のインタビュー>
・「あらゆる領域にデザインの考え方が求められている。」
・一般の人がクリエイティブな考え方をするためには、「普段からいろいろな事柄について発想し、それを習慣にすること」
・「ひらめいたアイデアを、必ず記録しておくことです。自分のベストなタイミングを把握しておき、その瞬間をキャプチャできるようにする」
<エムテド代表 田子學氏のインタビュー>
・「本当に心に響くかどうかと考えると、ロジックだけでは難しい」
第7章 クリエイターがビジネスを主導
<内田洋行×ヤマトグループ/羽田クロノゲート>
<こども×くすり×デザイン実行委員会/コドモトモリモト>
<TAKT PROJECT/静岡県の授産施設向け商品改善ワークショップ>
<IT業界に見るデザインシンキング>
第8章 デザイナーの役割が変わる
<NEC中央研究所イノベーションプロデューサー佐藤敏明氏・ソニークリエイティブセンターデザインリサーチャー佐宗邦威氏・ヤフーUXデザイナー清水淳子氏の対談>
・「ロジックだけじゃなく、好き嫌いという人間らしい感覚がないと、製品やサービスも間違った方向に進むことがある」
<IDEO TOKYOシニアリードデザイナー石川俊祐氏・takram design engineering田川欣哉氏の対談>
・「forクライアント」ではなく「withクライアント」
<デザインシンキングを理解するための15冊>
これが意外と役立つ。
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