2015年11月17日

Airbnb代表取締役によるセミナー聞いてきました!創業やコンセプトのお話も!Airbnb(エアビーアンドビー)について

本日は、キャリアバンクで開かれたオープンセミナーに参加してきました。
なんと今北海道でも話題のAirbnbの日本法人の代表田邉泰之氏がいらっしゃるということで、上司の小田さんとともにかなりの勢いで申し込みました!

田邊さんも話の中でおっしゃっていましたが、
やはり「民泊」のイメージが先行していて、具体的にわかっていなかったという
印象です。それが今回かなり理解できました。
創業時のコンセプトや、ユーザーの楽しみ方利用方法など
大まかにわかり、大変良かったです。

その内容を、できる限り記録して、書き起こしてみました。


セミナーはいつ、どこで行われたか?


講師: Airbnb Japan 株式会社 代表取締役 田邉泰之氏
開催日時 20151117日(火)18002000
開催場所 キャリアバンク株式会社 セミナールーム
札幌市中央区北5条西5丁目7番地 sapporo55 5
参加料 無料


イントロ Airbnb〜暮らすように旅しよう。アメリカ発の空き家・空き部屋シェアサービス〜


「利用されたことがある方ー?」

パラパラと。
まだまだマス向けにはなっていなく、やらなきゃいけないことが山積みです、と。

イメージと話を聞くのとは全く違う。
バナー広告やユーチューブだけでは伝わらない。
「ぜひ今日は疑似体験していただければ!」

満員の会場でスタート


創業時


3人で創業。
JoeBrianが一緒に住んでいて家賃が払えなくなり、
アート系展示会で空き部屋、「3人だったら泊まれますよ」とブログみたいな案内を出した。
エアーマットレスだけ、それにブレックファスト。
それで、「エアーベッドアンドブレックファスト」それが語源で「Airbnb」。
それでも本当に予約が入ってしまった。
できるだけおもてなしをしようと色々やった。観光案内とか。宿泊者も感動。
これがなければ、宿泊者とは会うことはなかったのに、宿提供により会えたということ。

エアーマットレスでなぜ楽しかったのか?
地元の人間にガイドブックに載っていない場所やカフェに連れて行ってもらうことで
今までは知らなかった新しいサンフランシスコを見ることができた。
宿泊者が結婚式の招待状を送るほど。

他にもやりたい人がいるはずということで、
以前住んでいたNathanを呼んでサービス立ち上げ。

最初に火がついたのがニューヨーク、マンハッタン。
ニューヨークには家賃が払えない、ローンが払えないという人が多い。
そこで、Airbnbを使うことで大事な部屋を手放さなくて済むようになった。

そのうちマンハッタンのAirbnbを利用したヨーロッパの方々が、これだったらうちでもできると広まった

2014年はアジアで広まる。
しかしアジアでは、アメリカで体験した人は少なかったのでなかなか伸びず、
マーケティング投資をし加速させた




現状


現在の数字、全世界では、
150万物件以上
34000都市以上
190か国以上

口コミだけで広まった。
これはユーザー様の伝播力で、ユーザーは高収入で違う土地の文化を学びたいという人が多い。
累計6000万人以上が宿泊。

最初は厳しかったと。
クレジットカードを沢山作ったり、オバマシリアル作ったり笑

そして、今年の夏だけで、1700万人が利用。
(これはスウェーデンなどの人口に匹敵する!)

一番注力したのは、安全・安心に宿泊できること。
緊急を要する問い合わせは、0.2%のみ。

日本では、
529% 日本へのゲスト 前年比531%
21000 日本の物件数
285% 外国へのゲスト


なぜ広まっているのか?


潜在的にやりたかったことができるようになったということ。
田邊さんも「やらせて欲しい」ということで直接サンフランシスコまで行った
実際には話を聞くまでどんなサービスかはわからなかった。

なので、写真を見て疑似体験をしてもらうのが一番!

田邊さんがAirbnbの面接を受けるときに利用してないとと思い、利用したがホテルに泊まってしまった。
それでもやはり、2回目は個人宅に泊まった。

ここから疑似体験スタート!!

写真つきで解説。

写真で疑似体験


タクシーでここに降ろされたと。
素敵なサンフランシスコの坂道。

(坂を見下ろすと...)
(右に曲がると...)
(この左...)

家についたがホストは家にいなかったので、ホストとチャットして、
ガレージがこの番号で開くからと聞き、開けると封筒に「Yasu」と書いて鍵が入っていた。

実は、この家が2億円の家だった!
映画で見るような家!
夢のようなキッチン!

Airbnbでは、ホストが机の上に本や情報を置いておくことがある。
これは地元の人しかわからない情報
ゲストとの事前のやり取りに合わせてホストが情報提供。

このホストの方は素晴らしく、ちゃんと製本した、本を提供してくれていた。
 (これは1to1マーケティング!利用者が勝手にやってくれてる!

パソコンを開いて仕事をしていると、芝刈り機の音、匂い、子供の声
地元の人と同じ体験ができる。
こんな豪華のベッドルーム!
お風呂とバスルームではやや不満もあったが。

Airbnbのユーザーの目的は、
「宿」を求めているのではなく、「地元の体験」を求めている。

なので不満は出ない。
韓国では小さいタオルで体を洗う風習があるが、これも不満ではなく、
体の大きいアメリカ人は、その小さすぎるタオルで体を洗ったり隠したりすることで、
面白がっている!
文句ではなく、楽しいね!っていうのがAirbnbのユーザー。

その後、地元の情報をもとに散策。
たくさん人が並んでいる場所へ行き着き人気の観光地なのかと思ったら、
地元で人気のカフェだった。
その中で地元住民に紛れて朝食をとるという体験。

事前にメキシコ料理が好きと伝えておいたらお店を紹介してくれた、
正直自分では絶対入らないお店だったが、でも食事はすごく美味しかった
昔のアメ車インパラに乗って、地元メキシコ人がやってきた。
(どう見ても普通の人じゃないような)
映画のワンシーンのようなところでタコスを食べることができた。
こんな楽しいんだ!なんでホテルに泊まってしまったのだろうと。


サービスの使い方


創業者は、デザインが専門だったので、
サービスの「ユーザビリティ」に気をつけていた。
簡単、シンプル!

(余談ですが、先日のJasstでの発表でも優れたUXを提供するサービスとして紹介しました。)
「ユーザビリティとユーザーエクスペリエンス、いかに向き合っていくか」JaSST2015北海道で発表!

<ゲスト側>
1. 泊まりたい方法を選ぶ
2. リクエスト
3. 承認

この簡単な3ステップ。

物件情報があって、
ホストに連絡の機能。
寒いですか?ジャケット必要?オフィスまでの距離は?
泊まるべきかどうかの判断ができる よく使われる機能ということ。

<ホスト側>
ホストは、どういう人がリクエストしてきたのか確認することができる。
めんどくさいが、あえて利用者には、
メールアドレス、電話番号、フェイスブック、リンクトイン、パスポート、免許証(オフラインIDといった多くの情報登録を必要としている。

あえて摩擦を残していて、自分のプロフィールをちゃんと書いてもらうようにしている。
そこまでして安心安全を意識

泊まる側も、泊める側も対等な立場にあり、お互いにレビューする仕組みがある。
・部屋は綺麗だったかどうか
・物件はどうだったか
・ホストはどうだったか
5段階で評価する。

ホストからゲストの評価としては、
・綺麗に使ってくれたか
・うるさくなかったか
人となりを確認することができる。

過去のレビューも見ることができ、
連絡のやり取りでキャンセルすることもできる。
すべてを受け入れる必要はない。
評価が悪ければどちらも使えなくなっていく。

(この辺りは全然まだ知られていないんじゃないのかな〜)

実際に泊まった人だけ評価することができる。
全部5段階評価で、全部星5つもらっている人を「スーパーホスト」と呼ぶが、
日本に多いとのこと。

基本的には丁寧にサービスを使ってくれている。
田邊さんも出張の時も、プライベートも使っていて、
リモコンの場所、グラスの場所をもとどおりに戻すそうです。
すると良い評価をもらえるので、すぐ次も予約が取れる。
最初はレビューがないので6回断られたと笑。


支払い方法は?


予約成立したらクレジットカード決済となるが、
すぐにはホストには支払われないようになっている。
あまりにも写真と違うとかの場合、24時間対応で払い戻しが可能。

(これも知られてなさそう)

ユーザーのレビュー機能に加えて、
1000人部隊で変な行動をしていないか24時間体制でチェックし、
アクシデントを未然に防ぐ機能がある。 (フォールトトレラントかな)

それでも100%アクシデントを防げるかというと、
シンクを壊してしまったり、傷つけたりとか、そういう時の保証もある。
ホスト保証」というもので1億円まで保証可能。
さらに、「ホスト補償保険」というゲストが怪我した場合の保険も準備。 
(こっちは、フェールセーフ)


どんな物件があるのか?


お金に余裕のない人が泊まる安い物件なんじゃないか?

いやいや色々面白い物件があります。

・ロンドンのお城のような物件
・インドの宮殿 リチャードギア撮影
・フランクロイドライト設計の家
・船
・ツリーハウス
・灯台
・高野山のお寺宿坊
・銀座のデザイナー所有物件

価格もホストが時期に合わせて自由に設定できると。


宿泊だけじゃない使い方も


大きいキッチンがあれば、奥様方が集まって料理を楽しんだり。
リゾート体験したり、バーベキューを楽しんだり。

徳島県では、古民家をカフェにしたり。

岡山では、これまで外国人がいなかったところに来るようになり、
おじいちゃんおばあちゃんが珍しがって集まるようになって、
おもてなし体験をしている。
コテージで、薪割り、お墓参り(これが一番喜ばれるらしい)、
普段の生活を見せることが楽しい、日本家屋であれば外に出ずに家を体験するのも楽しい。

旅行好きでも旅行にあまり行けない人にとっては、
「海外が家に来た」と、海外のことが身近に感じられる。

ホストの多くは、
ゲストからのメッセージを残せるメモ帳を置いていて(旅館でいう宿帳ですね)、それを楽しんでいる。
ホストの中で1番人気のお母さんがいて、東京の世田谷の70歳おばあちゃん、英語喋れない!
「ただでコーヒー飲ませてやる」と言ってカルディ連れて行くとか笑
あとは都内観光とか、自宅で料理を出したりと。
取材の時には、記者と社員に料理をふるまってくれた、取材前に普通に食事をしていて
自然と取材ができた。


お金に困って始まったサービスだからこそ


どうやって地方に貢献できるの?と聞かれる。
直接は解決できないけど、優れたツールとして。

事例としては、
1.自宅の空き部屋利用
高齢者が貯金を切り崩して住んでいれば、子供が住んでいた空いた部屋を貸す。

2.地方の空き部屋を資源に
地方の空き家を、資源として有効活用

3.宿泊場所の提供と合わせて、ライフスタイルの提供
東京に住んでいる人でも地方に家を持っているような人は、
週末だけセカンドハウスに行く。その時は、東京の家が空くので
その収入をセカンドハウスの支払いに充てる。

Airbnbは、基本的には初期投資なしで始められる。
なので、いろいろアイデアを考えて、プラットフォームとして使ってもらう。
どのように活用できるのかをこれから検討していきたい。

Airbnb 田邊代表


まとめ


佐藤社長の挨拶では、キャリアバンク設立時の法律問題を例に
やはり話題になっている法整備について触れていました。

札幌市の112日のリリース
「民泊」を行うには旅館業法に基づく許可が必要です


法律がどーのこーのより、優れたサービスを理解し、
どんどん利用者を増やしていくことに意義があるのかもしれない。

でも、聞けば聞くほど、多くの日本人文化には合わないのでは?
と思ってしまった。
もちろんAirbnbをウェルカムで利用できる人もいると思うが、
大多数かというと違うと思う。
そういう意味を含めると、先日の事件のように
泊める側のAirbnbに対する「真の理解」というものが必要になるのかもしれない。

北海道でも、空家対策は各地で行われていますが、
これぞという解決策はまだないように感じます。
提供する側が、しっかりとAirbnbのコンセプトを受け入れることができたら、
ひょっとして爆発的に増えるのかもしれません。


これまでのイベント・講習会参加レポート


マーケティングはデジタルになりデジタルであることを意識されなくなる!トライバルメディアハウス池田社長による講座聞いてきました!

会社員にも役立つフリーランスという働き方!「ドリノキ なりわい祭り」に参加してきました!
http://designhokkaido.blogspot.jp/2015/10/blog-post.html

第33回HAAAクリエイティブ研究会に参加してきました(2015年9月25日開催)
http://designhokkaido.blogspot.jp/2015/09/33haaa2015925.html

林信行さんによる講演「急変する環境の今を学び、ぶれずに積み重なる自分軸をつくる」 in SAPPORO CREATIVE CAMP2015
http://designhokkaido.blogspot.jp/2015/09/in-sapporo-creative-camp2015.html

私の先輩、奥泉直子さんによるUXのためのユーザーインタビュートレーニング(CSS Nite in SAPPORO)にスタッフとして参加
http://designhokkaido.blogspot.jp/2015/09/uxcss-nite-in-saapporo.html

「ユーザビリティとユーザーエクスペリエンス、いかに向き合っていくか」JaSST2015北海道で発表!
http://designhokkaido.blogspot.jp/2015/09/jasst2015.html

ミライストカフェでカスタマージャーニーマップワークショップやりました!
http://designhokkaido.blogspot.jp/2015/08/blog-post.html

サッポロクリエイティブキャンプの「ノンプログラマでもWordPressでサイト制作!」に参加してきました!
http://designhokkaido.blogspot.jp/2015/07/wordpress_26.html

論文発表してきました!HCD-Netフォーラム2015 (@2日目研究発表会)
http://designhokkaido.blogspot.jp/2015/06/hcd-net2015-2.html

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